日本!(復活 蒸気機関車)
No.11 名古屋で蒸気機関車を

名古屋市の第三セクター、名古屋臨海高速鉄道・あおなみ線で平成25(2013)年2月16,17(土日)にJR西日本のC56型蒸気機関車が走った。
「SL実験走行」と命名された運転だが、これは同線で蒸気機関車の定期運行と世界中の蒸気機関車展示を目指す(!)河村市長さんの発案を実証試験するためのものだからである。煙や騒音など周辺の反応や警備の手際などを確認が目的で、将来の定期運行への課題を探るという。煙で洗濯物が汚れると云っても、あおなみ線の全列車を蒸機にするわけでもなく、警備と云っても殆ど高架の専用線の同線は全国で一番警備が必要でない線であろう。実際は賛否の議論と市民の税金による運営がクリアーできるかだろうが、ともあれ夢物語に思えていた「SL走行実験」でさえもJR東海の協力無しに実現できたことは感嘆で感謝である。撮影現場の秩序も保たれ、多くの老若男女が見物に訪れて賑わっていた。見学場所に指定されていた広場では、ご当地アイドルのステージも有って 「きゃ〜来ました来ましたぁ〜。私、SL見るの初めてなんですぅ〜。」という黄色い声がスピーカーから流れる中を上空には取材ヘリが飛び、完全なフェスティバル状態であった。撮り鉄にとっては前代未聞の「SL撮影会」状態であった。名古屋で蒸気機関車が走ったのは、国鉄時代の昭和61(1986)年以来27年ぶりであった。さすがに定期運行は困難だろうが、それでも数年に一回単位でも運転されたら名古屋のイベントとして楽しいだろう。

機関車の梅小路からの送り込み(回送)は2月11日(月)に行われ、EF66+ED10+C56+PC(添付写真左側)であった。一日整備で空け、13(水)と14(木)に5本づつ習熟運転がなされ、本運転は各日3本の 計16本が蒸気機関車(C56)によって運転された。私が撮影できたのは、習熟運転2本、本運転4本の計6本であった。

上左右; 習熟運転初日の13時22分名古屋発の汽車。 後ろからDLに押されてスカスカで来るだろうと思っていたら、まさかの煙にドレイン。驚いた。本気だっ! (平成25年2月13日撮影)

上左右; 習熟運転二日目は、バレンタインデー。街並みは普段通りの装いで、のんびりと通行人が歩道を歩いている。が、汽車を眺めるアベック(ちがう、カップルだ)の会話も弾む。楽しいバレンタインデーだったろう。(2月14日撮影)

上; 本運転初日。午前中は仕事のため、撮影できたのは午後の一本。 撮影に汽車の実物は見ていない。ガラスへの映り込みが面白い。(2月16日)

上; ビル風だろうか。煙が渦巻いた。(2月17日撮影)

上3枚; 名古屋マリオット・アソシア・ホテルの52階、スカイラウンジ『ジーニス』を予約し、名古屋発11時37分の汽車を俯瞰撮影目的の食事。
この日、浜松付近で不発弾処理のため、午前中の新幹線に遅れが出るという事前発表があった。定時なら名古屋着11時41分の「のぞみ221号」かもしれない。 写真内に5本の列車が写りこんだ。(2月17日撮影)

上; 真野恵里菜ちゃんのイベントでも入ったことのあるライブハウスのZEPP NAGOYA 、それに 109シネマ名古屋 が並ぶ通り。日常的な場所が、ワンダーランドと化した。


■ B6(2412号機)の汽笛

「名古屋を蒸気機関車の聖地にする会・名古屋市科学館 協働イベント」
平成25(2013)年10月14日、 名古屋市科学館

名古屋を蒸気機関車の聖地にしよう、という河村市長の発案の第二弾、名古屋市科学館の展示機関車 B6型 の汽笛を鳴らすイベントが、あった。
静態保存機で、火を入れることなく圧縮空気の8気圧で汽笛を鳴らすのだ。
14時半からは河村市長はじめ御来賓の方を招いての式典があり、その後に市長自らが運転台に入って汽笛を鳴らされた。
この通称B6と呼ばれる機関車は、明治37(1904)年にドイツのハノーファー社で製造されて輸入された。日本では中央線、武豊線や高山線で走って、昭和23(1948)年に国鉄高山機関区で廃車となった。国鉄で廃車後は三重県四日市市の石原産業の入換えで活躍し、昭和43(1968)年に廃車となり、名古屋市科学館で保存展示された。
よって汽笛は45年ぶりに鳴ることになる。圧縮空気で鳴らす方式ゆえ、煙はスモークマシンを使って扇風機でスモークを送って演出している。
河村市長氏がおっしゃるには、動態保存に向けてこの場所で公開しながら整備していきたいとのこと。ぜひ実現の日が近々に来て欲しいものだ。

写真は、報道陣に囲まれる式典でスピーチされる河村市長さん。機関車には、日本と製造国ドイツの国旗が掲揚されている。


下写真3枚;平成28(2016)年9月13日(木)14日(金)

トレーラーに載せられたB6(2412号機)蒸気機関車は動態保存運転の可否のボイラー調査のため、大阪のボイラー会社に向けて午前零時にトレーラーのエンジンがかかり、敷地内からゆっくりとバックして公道に出た。重量制限で高速を走れないため、一般道の夜間を利用して走り、大阪には9月15日(木)に到着する。
公道に出たトレーラーは しずしず と走るかと思ったら一気に加速して、40〜50Km/h で科学館をバックに走り去ったのには驚いた。そのように復活も加速するように期待したい。


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