日本!(近江の祭・火祭)
No.5 松明(島町 若宮神社、田中江町 日枝神社)近江八幡市

■島町 若宮神社
撮影場所&日;滋賀県近江八幡市島町、平成20(2008)年4月19日
撮影機材;Nikon D300+VR18-200mm、D80+SIGMA10-20mm

島町の若宮神社祭礼宵宮と、隣接した北津田町の大嶋奥津嶋神社祭礼宵宮は、同日に行われる。両集落は大嶋奥津嶋神社を氏神として祀っておりながら、島町では若宮神社において宵宮だけは独自に小祭として行う。そして本日(ほんび)の式典と祭礼の渡御行列や、卯之刻参りは今でも両町が共同で行っている。この地域は平安時代には奥嶋荘と呼ばれた荘園があり、その頃から共通の祭祀圏を構成していた可能性がある。
島町には奥、山口、中、宮、南の五つの小字が有って、それぞれが一基づつ高さ7m程の笠松明を作っていく。それらとは別に今年は久々(30年ぶりとか)に、ホンガラ松明という特殊な松明が一基奉納された。松明の中身が菜種殻などでギッシリと詰まった通例の笠松明ではなく、松明の中を筒状に中空にした松明がホンガラ松明である。一般的には立っている松明の根元に点火するのであるが、ホンガラ松明は敬神会(氏子組織)や自警団の人達が松明を傾けて、底から中空の内部に火を投入するのである。暫くすると内部の中空部分を立ち上がった炎がホンガラ松明の頂上から吹き上がってくる。さて当日、盛んにホンガラ松明の底から火を入れるが、なかなか炎が出てこない、、、失敗すると頂上から炎が出る前に胴部分が燃えてしまう。敬神会、自警団や参拝者の間に緊張が走る、、、やがててっぺんから炎が見えた瞬間には、歓声が沸きあがった。成功である。これは全く素晴らしい松明である。

上写真;男の子が祖母と、子供松明を焼く。

上写真;太鼓が宮入し、シュウシ(太鼓を高く持ち上げる)をする。


上写真3枚;ホンガラ松明の奉火。

上写真;燃える松明の間を、太鼓がいく。


■田中江町 日枝神社
撮影場所&日;滋賀県近江八幡市田中江町、平成20(2008)年4月26日

田中江町は、上の切り・中の切り・下の切りに分かれていて、それらが日枝神社・八幡神社・八幡神社を産土神様として祭祀していた。が、この写真でUPした日枝神社は三集落全体の神社であり、三集落が氏子となっている。郷社のような感じであるが、郷祭り(大祭)によくある各社での小祭は行われていない。祭礼は三集落が順番に当り、その中でも家の順番が決まっている神事番という官職が準備執行の中心役となる。それに若い衆の祭礼団や世話役、消防団や子供会などが参加する。
18時半頃に公民館に集まった太鼓(径90cm、約5mの棒で15人ほどで担ぐ)はじめ諸役が、提灯を先導に集落内を太鼓を打ちながら練り歩く。一時間も練り歩いて太鼓が日枝神社の鳥居を潜る時に合わせて、本殿に一番近いところに立てられた約4mほどの他より小ぶりな稚児松明に奉火される。一旦奉火は止み、拝殿では祭典が行われる。祭典後、仕掛け花火と打上げ花火が上がってから笠松明の奉火となる。本来の春祭りにおける松明では大松明が照明的に存在し、笠松明は風流化が顕著になってから登場したと思われる。田中江町では大松明は無く、しかも仕掛け花火や打上げ花火で遊興味を増しており、過分に風流化した魅せる目的の松明行事と思える。

上左写真;集落内を太鼓が練る。

上右写真;民家の玄関口に置かれた子供松明。田中江町では主として男児の居る家で、子供松明を宵宮の日に玄関口に置き、夕刻に神社で焼く。

上写真2枚;子供松明を焼きに神社へ。

上写真4枚;仕掛けと打上げ花火。花火の明かりで、奉火される前の笠松明が浮かび上がる。異形だ。

上写真2枚;笠松明。奉火前と最中。


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