日本!(近江の祭・火祭)
No.34 日吉神社 大祭

■撮影場所&日;滋賀県東近江市上平木、平成23(2011)年4月23、24日

上平木の日吉神社大祭では、3日間にわたって祭礼が行われる。初日の宵宮、二日目の昼の大祭と夜の御託宣。そして三日目の卯の刻渡り、御面渡行そして神輿渡行である。今回、奉拝・撮影させて頂いたのは、二日目の御託宣から三日目の御面渡行である。
ここでは年齢階梯制による宮座が立派に機能しており、しかも集落の人々が篤い心で祭礼を行っておられることに感動した。斎行している若者から長老男性のみならず、御面渡行が行われる時にはご婦人も道路に膝まついて拝礼されるのには、感服した。そして御面渡御においては、静寂のところで粛々と鬼面が祝福していく所作も、感動的であった。
宮座制度は年齢階梯制で、若年から長老にむかって、 子烏帽子・済美会・神事家・中老・大中老・十人衆・年行司・沙弥美師 で構成されている。鳴り物の太鼓と鉦は済美会が受け持ち、行事において重要な役割をしている。特に二日目の御託宣と命名されている松明行事は、済美会による行事である。御面渡御では桃山時代作とされる鬼面が御神体となって町内を渡御し、沙弥美師の一番、二番の家と区長宅の三軒を回る。もう一つ特徴的なのは、中老九人による門踊りである。宵宮・本祭・卯の刻渡りの三回舞われるが、剣を抜刀しての祓えの舞であることは自明である。
※上平木の皆様には御世話になり、ありがとうございました。

■御託宣
 拝殿での祭典の時にも、済美会によって鳴り物が囃される。やがて御神燈を頂いて、参道の大松明に点火する。大松明のてっぺんの御幣が焼け落ちる頃、済美会の若衆が太鼓・鉦を持って、火の間を駆け抜ける。


■卯の刻渡り
 御旅所で再び集合し、小松明に点火した状態で参道鳥居の処の大松明まで渡る。御託宣では二基の大松明に点火したが、卯の刻渡りでの大松明は一基の奉火である。子烏帽子(子供)による御神輿も参加する。大松明が奉火され終わると、拝殿前で門踊りである。三日間の間に三回、節目で舞われる門踊りは、悪霊祓いの舞である。

上写真2枚;御渡りの前の御旅所。鳴り物が囃し続ける。


上写真6枚;御渡りと大松明の奉火。

上写;拝殿前での門踊り。こちら向きが 向かいぶり という役で、「ぺぺつー」と言うと、残り8人の中老が「さらばー」と応答する。意味は不明だ。


■御面渡御
 年行司(行事)により、日吉(赤面)と若宮(黒面)が奉持され、沙弥美師2人と区長宅に祝福に渡っていく。背後には囃し方を従えている。年行司は訪問宅の玄関前に赤土で輪が描かれており、その上を鬼面を奉げつつ三周する。家の長老は紋付袴で茣蓙の上に正座して待つが、御面の到着と同時に頭を垂れて拝する。静寂の中で厳かに行われる儀礼に、驚きで一杯であった。


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