日本!(近江の祭・火祭)
No.3 沙沙貴まつり 大松明奉納神事

撮影場所&日;滋賀県蒲生郡安土町沙沙貴神社、平成20(2008)年4月5日
撮影機材;Nikon D300+VR18-200mm、D80+SIGMA10-20mm
現地情報;駐車場あり、大松明は常楽寺を15時出発。19時に境内巡行。松明奉火は20時半(変動あり)。

沙沙貴神社の沙沙貴まつりは、大松明奉納神事・神輿三社神事そして沙沙貴十二座神事からなる。そのうち、今回撮影してきたのは大松明奉納神事である。この行事は常楽寺・上出・中屋・慈恩寺・小中の地区の氏子が中心となって常楽寺から約1km離れた神社まで、大松明を引いて奉納に行く。大松明は橇状の木枠に乗せられており、踊子が手桶踊りを踊りながら4時間もかけて移動していく。この大松明は、満壽(まんじゅう)という43歳以上で駕輿丁を勤め上げた人が24人で直径2m、長さ5mの大松明を作るのである。本年満壽に加わった人の中から4名選出し、二名が手桶踊り、一人が綱先役、もう一人が進行役になる。曳くのは、駕輿丁の若衆である。役は年齢階梯制で、厳密である。
私は手桶踊りの手桶の上に乗った注連縄に驚いた。その形は、湖北のオコナイ、特に延勝寺のオコナイのエビに類似していたのだ。その部分を何と呼ぶか伺ったが、注連縄部分の特別な呼称は無いそうである。武将の顔を表していると仰った。確かに近隣の彦根城博物館蔵の、鉄朱漆塗桶側二枚胴具足の兜の前立のように角が見えなくもないが。形態の変化は、些細なことで変化するものであるが、注連縄を桶の上に載せるという行為がそう変わるものではない。私的には、この注連縄はやはり延勝寺のオコナイの場合と同様に、龍神を表していると思う。延勝寺の場合は、宇賀神の白蛇かと想像したのであるが、この沙沙貴神社の手桶の上の龍神は、水神であろう。水を汲む手桶であるから、水神は当然だが(汗)。手桶は、松明の炎が燃えすぎないように水を掛ける目的だそうである。それは、火伏の意味もあろう。だが、これら郷の祭は水利権の社会的結合が背景にあったようなので、雨乞いなどの祈願も込められていると私的には想像している。火と水=神(かみ=火水)を象徴的に表した祭といえよう。
大松明が手踊りを繰り返しながら進む光景は華麗であるし、火祭で大松明や手振り松明の燃える中を神輿が巡行するさまは、勇壮である。すばらしい大松明奉納神事であった。沙沙貴まつりの他の行事も、また奉拝・撮影したいものだ。

上左右写真;手桶踊りを踊りながら、常楽寺から神社へ向かう。

上左右写真;神社境内で大松明を曳き、手桶踊り。

楼門前で立てられた大松明に奉火。

上写真4枚;大松明と手振松明の間を、御神輿が巡行する。


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