日本!(近江の祭・火祭)
No.26 ぼんのこへんのこ祭り

撮影場所&日;滋賀県湖南市甲西町平松、平成22(2010)年7月31日

巨大な茅ノ輪が、境内の椅子の上に置かれている。しかも直径3mの茅ノ輪からは御幣、茄子が三つ串に刺されて、そして木製の長さ50cmの男性のシンボルが突き出ている。
この茅ノ輪、一般的な茅ノ輪潜りの場合と異なり、ここ松尾神社から集落内を少年に担がれて練り歩くのである。これは滋賀県湖南市甲西町平松に伝わる「ぼんのこへんのこ」祭りという。名称も変わっているが、練り歩く時の掛声が、また変わっている。「ぼんのこへんのこ作衛門のなすびや〜い。」と大声で囃し、道中太鼓が打たれる。“へんのこ(へのこ)”は男根を意味し、“ぼんのこ”は煩悩の子とも女性器を表すとも云われる。作衛門なる人物は、応永6(1399)年に炎上した神社を再興し、同時に火伏の神様の三宝荒神を摂社として祀って、火伏の神様の愛宕神社の祭礼日(千日詣)の7月31日に「ぼんのこへんのこ」行事を始めた神主さんだと云われている。しかし、、、茄子が何であるかは不明である。男根に付いている陰核、あるいは女性器の陰核とも云われる。外見的にはそうであろうが、キュウリのようなウツボ構造が厄を閉じ込めるのに便利な呪術的な意味からかもしれない。
行事は14時から神社での祭典後、少年13人が茅ノ輪を持ち、後ろから太鼓が二人が従い、小学校4〜6年生が奉仕する。まず昔の集落の東西の結界まで行って修祓を行ってから、御旅所でも修祓を行って松尾神社に戻ってくる。およそ1時間である。神社へ戻ってくると、その茅ノ輪は男根などが外されてから8の字にひねってから、三宝荒神社の背後の山ノ斜面に投げ捨てる。集落内で吸着した厄を、神社の裏山に捨てるのである。
単純そうに見える行事だが、奥は深く謎が大きい。
茅ノ輪が集落内を移動することは、わざわざ神社まで行って茅ノ輪潜りを行わないでも良いが、実は集落内の火難や厄事を祓除して歩いているのである。木製の男根、そして茅ノ輪自体が女性器を表すなら、その豊穣力で全ての難を掃っていこうというのだろうか。三宝荒神はアラハバキとして地主神・地神としての性格があり、男女のシンボルを和合させた状態で練り歩くのは、秋の収穫を祈念する野神祭りとしての性格もあるのではないかと思う。(撮影に当ってお世話になり、感謝申し上げます)

上左右写真;松尾神社にて。

上写真4枚;道行きと、結界での修祓。

上写真3枚;集落内を練った茅ノ輪は、神社に還御すると8の字に封じ込めて捨てる。そのことで厄を祓除する。


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