日本!(近江の祭・火祭)
No.18 ホイノボリ(南山王祭) 南山王日枝神社

撮影場所&日;滋賀県蒲生郡日野町大窪・松尾 、平成22(2010)年4月4日


長さ数メーターの竹ヒゴに白やピンクの薄和紙で花弁を付けたものをホイと称し、そのホイが枝垂れるようになることからホイノボリという。日野町では7つの神社で奉納されるが、22本が奉納される大窪・松尾地区による南山王祭が最も大規模である。このホイノボリの由来には、推測によるが諸説ある。ホイノボリのてっぺんに御幣を立てることから、稲の神を迎える依代であって、地面に立てることで大地との交接を象徴しているという説。中世の都市祭礼芸能に登場する練り物に由来するという説。そして三つ目の説は、鎮花祭に由来する説である。鎮花祭とは、春の花の散る季節、散る花のように疫病が広がり人や農作物がダメージを受けないようにする、厄除けの儀礼である。ホイノボリは日野川および支流域で行われることから、農業用水を共有する地区が合同で行うなどにも特徴がある。

上左右写真;午前9時頃、日枝神社へ出発する前に、各地区では準備が進められていた。


上写真2枚;各地区からホイノボリを日枝神社へ運ぶ。


上写真2枚;22本揃ったホイノボリの下では、
氏子衆が酒や料理を囲んで歓談し楽しむ。


上写真;左手前に自然の桜。右遠方にホイノボリが見られる。日野の里が、花に埋まる。ホイノボリという造花を作るのは、自然の桜が無いための代品ではない。であれば、手間隙をかけて作る、何らかの理由が有るはずだ。私はこれは、京都の「やすらい祭・やすらい花」の花傘に相当する、呪術的装置だと思う。やすらい祭において、地元民は花傘の下へ入ることで一年間無事に過ごせると信じ、すすんで花傘の下に入っていた(HPにもUP済み)。同様に、ホイノボリは春の頃の疫神や悪霊から身を守る、呪い(まじない)の呪術的装置以外ではないと思っている。

上写真;悪霊や疫病神などの魔障が蔓延する世界を、超アンダー露出で表現。魔障から襲われないように、民はホイノボリの下に避難している、、、そんなイメージで撮影した。

上写真;ホイノボリの下で歓談する民の間に、ホイノボリの影が地面に映る。忍び寄る魔障と厄除けの呪術の鬩ぎ合い。


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