■ 滋賀県長浜市湖北町今西(西出)、令和2(2020)年02月 撮影
滋賀県長浜市湖北町今西の 白髭神社オコナイは6年前にお訊ねに上がっていたのが都合で行けず、やっと訪問の願いが叶った(建国記念祭の日、他に何をしていたのだろうかって思うほどだけど)。
昨年まではマイ玉(餅花)に欅の樹を用いていたのが入手困難となり、今年から竹を用いるように変更になったが 竹の繊細な枝に付いた餅花も、それは清楚な美しさがあった。 枝に付いた御餅だけでなく、藁に幾つもの御餅が付垂れ下がった餅飾りの祭具も有って、その点が特徴的であった。これはたわわに実った稲穂を想像する。高月町の一部に「スンダマ」と称する藁細工が付くことがあるが、それはこの餅の多数付いて稲穂の様になった姿の変形の最終形であり、今西のは移行期途中の形状と思うことができた。
(今西の皆様、どうもありがとうございました。)
上左右写真;早朝から御餅つきが行われる。御幣は既に神社から公民館に動座している。
上写真3枚;搗かれた御餅は大鏡餅用以外にマイ玉用にも搗かれ、御餅が付けれていく。
上写真;御餅搗きと同時進行で、子供たちが鉦と太鼓を叩きこの集落固有の神楽歌を歌いながら集落内をまわっていく。この集落の子供は小さい時から覚える、口伝による神楽歌である。社参の前触れというだけでなく、集落内を祓っていく重要かつ神聖な神楽行列である。
上写真;社参準備が完了すると、神主さんによるお祓いと次年度当屋さんを決める籤が行われる。神慮を重んじるため、神主さんは懐紙で目隠しした状態で籤を混ぜ、そして引かせる。
上写真;白髭神社拝殿における祭典。 神主さんが大麻で大鏡餅を祓いながら、御餅に向かって集落民の安寧を祈念されていたのが印象的であった。神威を大鏡餅に憑かせて集落民を守る、そのアイテムとして大鏡餅に神霊が吹き込ませられた瞬間であった。御餅が単なる御餅ではなくなった瞬間だ。その大鏡餅を前に、本年度と来年度の当屋さんの盃事が行われた。