滋賀県長浜市高月町高月、 令和2(2020)年02月 撮影
■ 神高槻神社オコナイ
高月町高月には講による行事まで含めると多くのオコナイが有るが、主だったオコナイは神高槻神社と高月観音堂(大円寺)であり、町を二分して北組と南組が一年ごと交互に勤めており、令和2年度における神高槻神社オコナイは南組が担当された(※)。南北ともに三軒一組で「おとう」を受ける組であり、うち一軒が当屋を勤める。オコナイの前日に御餅つきの準備がされ、本日の早朝から御餅搗きが行われ社参による奉納準備がなされた。
なおオコナイの講員は定年制が有って、以前は57歳であったのが現在は60歳ということであった。つまり私が高月町高月のオコナイ講員であったとしても既に定年している訳で、すべて現場にいらっしゃった人達が年下であるという現実に自分が歳をとったものだと思った次第である。
(※)明治六年度までは「神高槻神社オコナイ」は無かったが、南北の組の協議によって「観音オコナイ」と交互に奉仕するように新設された。明治7〜8年頃、高月の氏神は春日大明神ということで祀られたが、明治34〜35年頃に御祭神は天児屋根命、高額比売命とされた。
(南組の皆様、どうもありがとうございました。)
上写真;当家へ講員が挨拶している間、宝珠の藁仕事が行われていた。
■ 高月観音堂(大円寺)観音オコナイ
高月町高月における 観音神事講(※) を拝見してきた。(※)お寺さんで行われるが、名称は「神事講」。習合時代の名残の名称であろう。高月町高月には 北組と南組があり、南組は 本年は 神高槻神社オコナイに奉仕され、年ごとの交代となるので観音オコナイは北組が担当された。高月町高月の町内の道路によって南北を区切って講を組織されているが、同じ高月の中でも北と南では様相が違った。
「座」という社参前の儀式は 威厳と格式を保って静寂の中で緊張感を保ちつつ粛々と行われ、感動であった。北組の中に松竹梅の組があり、本年は梅組から塔屋さんが出られた。
上写真3枚;座において正席が帳簿箱を開けることで協議が始まる。盃の儀。正席・塔屋・次塔そして退講者の杯である。帳簿箱を閉じることで「座」が終わる。帳簿箱に「オコナイ」の歴史が詰まっており、箱の開け閉めは神聖な儀式の始まりと終わりの区切りの行為なのだろう。
上写真;大円寺和尚さんはじめ講員総員で参列し、勤行(読経・焼香など)そして盃事が行われる。
上写真;北組の皆さんが整列(どうもありがとうございました)。