滋賀県長浜市高月町洞戸、 平成25(2013)年2月撮影
拝見させて頂いた日は、雪が激しく降る日であった。ちょうどお餅搗きの最中であったが、杵と臼から立ち上がる蒸気で冷え切ったレンズとカメラが一瞬で汗をかいてしまった。それでも曇るレンズを拭きながら撮影すると、熱気が写ったように描写された。
お餅搗きは最初は台の上へ運んで御鏡に仕上げる。二臼目でマユダマ用に搗く。三臼目には最初に搗いたお餅にかぶせるように御鏡餅を仕上げる。これは形が崩れないように分けて付形するのだという。
洞戸は18軒より成り、6軒を一組として1〜3組に分かれている。頭屋の組は順番だが、組の中では玉籤を引いて頭人を決めている。
本日、お餅搗きが済むと日吉神社へのお鏡餅は床の間に飾ったままで延命地蔵大菩薩なる地蔵堂へ、まい玉と御鏡餅が納められる。
頭屋継承の神聖なるシンボルのオカワは御鏡餅に埋め込まれることなく、あくまで象徴として飾られていた。
地蔵堂へ奉納されながらも日吉神社へ奉納されない点は疑問である。しかし元々はお寺でのオコナイであったことを思えば、古い形のオコナイを継承しているのかもしれない。
見学させて頂きましたことなど洞戸の皆様に、感謝申し上げます。