日本!(オコナイ)
No.27 高月町 磯野

撮影場所&日;滋賀県(旧伊香郡)長浜市高月町磯野、平成22(2010)年2月21日

午前4時50分自宅出発、そして午後8時55分帰着(現地滞在;午前7時00分〜午後6時22分)で、磯野のオコナイを拝観・撮影してきた。
(@ 集会所&赤見神社)
拝見させて頂いて、大きな特色が四点あると思った。
.カワについて、 ⊆,瞭人の決定の玉籤、 K楞掘 そ装の参進(俗称「嫁オコナイ」と呼ばれる由縁)
.カワ(当地ではオコワとも呼ぶ)は、搗きたての御餅を丸形の大鏡餅に付形する曲物に、補強の輪を重ねてから藁縄を巻きつける。そこに藁製のエビに紙垂を垂らし横位置に縛り付ける。さらに磯野のオカワの特色は、二本の「はし」を付ける点である。「はし」とは、直径13Cm、長さが扇4本分くらいの柳の枝の端20Cmほどに美濃紙を巻く。このオカワは、来年のオコナイまで次ぎの頭屋さん宅で祀られる。現地の人が「はし」と呼ぶ二本の棒であるが、神様が御神饌を戴く箸だという。その解釈もアリだとうと思うが、本質は牛玉の串である。美濃紙の部分は本来は呪文や護符が書かれた部分で、いわゆる牛玉宝印である。山岳修験や密教系から発した護符が、後には誓詞など血判状にも用いられるようになった美濃紙の部分、今の磯野では白紙である。
現在、頭屋を受ける人は、結婚して所帯を持った人が頭人となって順番になされている。昔は神託による籤によって決されていたようで、その名残が献鏡された後に、拝殿で神主さんによって行われる玉籤である。皿に米を入れ、そこに氏名の書いた紙を丸めて入れ、神主さんが幣(ぬさ)で拾い上げる。神慮によって決せられるのである。一応、その名残の儀式が拝殿で斎行された。
正午から午後2時過ぎまで2時間、膳所組と淀組の総勢80人程が紋付袴の正装で座す中、本膳が出された。宴であるが無礼講では決してなく、配膳・給仕まで厳格に礼儀正しく行われ、座す氏子さんらは正座のままである。午前中に搗かれた御餅も、汁膳として三回に渡って出された。献立で驚いたのは、鯖の馴れ寿しである。琵琶湖の鮒寿し(馴れ寿し)は私も好物だが、鯖の馴れ寿しは初見であった。少し頂いたが、超美味しかった。その本膳の間に盃ノ儀も行われた。
ぜ匯欧砲倭醗の中から衆議で選ばれた人に女性の着物を着せ化粧をさせ、提灯を持った頭受人と並んで社参する。大御鏡餅は、頭受人の主親類から選ばれた四人が、御輿状に担いで気勢を上げながら奉鏡する。なぜ女装するか?献じる赤見神社の御祭神は安閑天皇と皇后の春日山田皇女(かすがのやまだひめみこ=赤見皇女)という夫婦神であるが、神社の名前は皇后にちなんでいるから女装する、という説もある。いくつか疑問がある。主祭神の安閑天皇であるが、神仏分離の際に蔵王権現を祀っていたお社が同神格の安閑天皇に鞍替えした経緯もある。ここの赤見神社もそうであった証拠は無い。推測である。昔、この境内には清水が湧き出ていて、聖水と云われたこともあるという。赤見(あかみ)は赤水(あかみず)から転訛した名称だろうか。聖水は、赤い水だったのだろうか。この聖水の赤水から転訛した皇后の名前(赤見皇后)に付随するように、主祭神の安閑天皇が祀られた可能性もある。それが密教系寺院が盛隆していた時代には、蔵王権現であった可能性もある。興味深い掲示を、会場となった集会所で見つけた。それは太平洋戦争直前の高時川の井堰の井落しの写真である。水争いが起こらぬよう、整然と水が各集落に行き渡るようになされていたことを示す資料である。逆説的に云うなら、水を巡る揉め事が頻発していた可能性と、水神の性格の鎮守神様は大切に護られていた可能性を示唆している。であるから赤見神社の神格は、水神であったと思うのだが、であるならオコナイの女装は何かという点に逆戻りする。祭神に理由を求めるのは困難であろうから、これは単純に夫婦和合による集落繁栄の予祝であろう。オコナイは女性の参加が禁忌であるから、男性に女装させたことは想像できる。

今年から磯野のオコナイも変更がなされ、膳所組と淀組それぞれが民家でされていたことを集会所で合同で一日でなされるようになった。旧来の方式を知らない私にとって、さりながら厳格さを損なうことなく粛々となされている様子に感動した。皆さんが持ち場をしっかり行われ、順調に立派なオコナイであった。

※ お世話になりまして、磯野の皆様に感謝申し上げます。また、事前よりご丁寧にご配慮下さいましたW氏御夫妻にも御礼申し上げます。

上写真;朝八時から「淀組」「膳所組」が並んで棒杵で御餅搗きを行う。

上写真;座敷正面に一昨年と昨年の頭受人が座し、搗き上がった御鏡餅をオコワ(オカワ)に入れる。

上写真;本膳の調理と同時進行で、作業所でエビ作りが行われる。天井から吊るした藁を四人で左回りして回転しながら編み上げる。

上左写真;作業所での藁仕事、上右写真;本膳で出される鯖の馴れ鮨。


上写真3枚;本膳。謡曲「高砂」、盃ノ儀も行われる。

上写真;組員の中から選ばれた人が社参に備えて女装する。

上写真2枚;社参風景

上写真;拝殿における玉籤。神慮を受けた神主さんに、光が当る。神慮の光だ。

上写真;御鏡開き。

上写真;オカワが仕上がり、次年度の頭受人宅へ送致される。

上写真;頭受人宅に安座されたオカワ。宮番の象徴でもある。神々しい空間だ。


舞!組曲 TOP
日本! (お神楽・田楽)
日本! (花祭)
日本! (雅楽・舞楽、能楽)
日本!
日本! (南北朝)
日本! (念仏・風流)
日本! (真清田神社)
日本! (オコナイ)
日本! (近江の祭・火祭)
日本! (山鹿灯籠まつり)
日本! (復活 蒸気機関車)
日本! (真野恵里菜)
中国の蒸気機関車
たけやま3.5
日本! (ヴァイオリニスト 谷口沙和さん)
ドイツ語圏(鉄道)
ドイツ語圏(音楽・観光)
ミャンマー
作者・写真集
掲示板

広告ポリシー