日本!(オコナイ)
No.26 高月町 落川

撮影場所&日; 滋賀県(旧伊香郡)長浜市高月町落川、平成22(2010)年2月11日

東柳野(@滋賀県長浜市高月町)のオコナイの御神体送致を拝見・撮影後、同町内の落川へ移動した。現地で早朝から撮影されているHP「祭礼探訪」さんに連絡したら、集会所を社参行列が出発するのが午前11時ということで、車を飛ばしてぎりぎり間に合った。早朝から御餅搗きやマイ玉にエビ作りが行われたようである。御鏡餅は直径約80Cmの不定形の丸型一枚であるが、その上に榊の玉串とエビ(現地ではコイと呼ぶ)が乗る。それが日吉神社の御神号掛軸の前に安置されていた。社参行列は、提灯を先頭に神主さんやお囃子と御鏡餅に餅花が続き、神社周辺を半周して鳥居から外拝殿に入る。日吉神社のオコナイであり、境内にある観音堂のオコナイは、次週である。
ここ落川のオコナイと特色は、その藁で調製されたエビ(コイ)やスンダマと呼ばれるエビの珍しさである。餅花自体は珍しくないが、その枝からスンダマが三個ブラ下がる様は特徴的である。エビの一種には違いないが、三個とは奇数瑞祥からの数であろう。このようなエビの荘厳スタイルは高月町では散見されるようだが、呼称は「スンダマ」以外に「宝珠」「福玉」などと有るようだ。餅花が本来のオコナイ行事の御鏡餅から派生した餅飾りであるように、スンダマもエビから派生した予祝的呪具であろう。同じ高月町内でも、オカワ(オトワ)を“御神体”とする集落もあれば、ここのようにオカワを用いないで御神号掛軸を用いる箇所もある。北陸線より東側ではオカワが少ないように思えるが、今後の調査が必要と思っている。オカワの分布域が、北陸線の西側に集中しているように思える。このオカワを御神体と呼んでいるが、考えようによっては“依代”が正確かもしれない。オカワによって御鏡餅が調製されることによって、御鏡餅は神威を内包することが出来る。オカワは神威の伝導体で、神威の結実する形はあくまで御鏡餅であるからだ。であればこそ、依代はオカワでなくって神号掛軸でも良いわけである。

※落川の皆様にはお世話になりまして、ありがとうございました。

上写真;扁平な御鏡餅の上のコイ(エビ)。コイは、祖霊の蛇の頭の造形であろう。御鏡餅と合わせて、蛇の静的造形を示す。

上左写真;社参行列。 上右写真;外拝殿(舞殿か)外に荘厳された餅花と、スンダマ。

上左右写真;祭典も神社ゆえ、祝詞奏上や玉串奉奠で斎行された。


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