撮影場所&日;滋賀県米原市梓河内、平成21(2009)年1月31日、2月1日
撮影機材;Nikon D300+VR18-200mm、D80+SIGMA10-20mm
現地情報;民家を頭屋とするのは本年限りで、来年からは八幡神社社務所で準備されるらしい。作り物や社参がどうなるか未定なので、平成22年度に関しては、直前に要確認。
ここではオコナイを神事(じんじ)と呼んでいる。本日には民家の頭屋さんから誉田別尊を祀る八幡神社まで、約900mを男性のシンボルや御輿のように担いで御鏡を奉納すべく、社参される。
祭員がノリノリで、とにかく愉快なオコナイ(神事)であった。畏まって厳粛に行うのもオコナイなら、和気あいあいと爆笑しながら愉快に行うのも、オコナイなのだ。野菜で作る鶴亀、男女、男女のシンボルや徳利に盃の製作段階でもそうだし、気心知れた馴染みの集落の人たちが歓談し爆笑し楽しみながら行い、撮影者たる私も爆笑しながらの撮影するオコナイは初めてである。
この地は霊仙山系から流れる梓川に沿って、約100数戸から成る集落である。その集落を1から4区に区分し、各区が25〜27戸で構成されている。オコナイ(神事)は戦後3年程は中断したが、その後に復活し、各区が順番に一年ずつ担当する。その区内で、頭屋には区の成員から玉籤で選任されていた。それが、どうやら来年からは頭屋を設けるのではなく、区としてのオコナイ(神事)に変えられるようだ。それ故であろう、当渡しで頭主が決まると“ゴー(牛玉宝印)”で顔に墨付けなどがあったようだが、本年は無かった。であるからこれまでは民家が頭屋になっていたのが、来年からは社務所で準備も行われるらしいので、写真のような社参風景は、ひょっとしたら今年が最後なのかもしれない。詳細がまだ決まっていないそうだから、どのようになるか不明ではあるが。
この愉快なオコナイ(神事)には、男性のシンボルの作り物も巡行した。野菜の作り物は既に社務所に掲示されていたが、その作り物では女性のシンボルも登場している。いつ頃から男女のシンボルが登場するようになったか不明だが、おおらかな気風なれど、かつては山間の生活が厳しく、村と家内繁栄は切なる祈願であったことだろう。その和合による繁栄は、シンボルの道祖神があるように、塞ノ神としての性質も託されていると考えて良いだろう。
※この度は梓河内の皆様には大変お世話になりまして、誠にありがとうございました。