日本!(オコナイ)
No.11 長浜市 八幡中山町

撮影場所&日;滋賀県長浜市八幡中山町 天満宮&頭屋、平成21(2009)年1月25日
撮影機材;Nikon D300+VR18-200mm、D80+SIGMA10-20mm

長浜市へは1988(昭和63)年頃から、年に数回は訪れている。Nロイヤルホテルでの宿泊・温泉や黒壁周辺での食事が目的だが、北陸道の長浜ICからその方面へ行くに通るのが、八幡中山町である。オコナイの撮影は昨年からであるから、まさかそのような目的で何度となく家族で通った場所に一人で撮影に来ようとは、以前は想像だにしなかった。20年も前から八幡中山町を通っていると、その土地がどんどん賑やかになることを痛感する。来る度に新しいスーパーやファーストフード店が開店したりして、発展はとどまることがない。オコナイとは本来、農村部における儀礼であったのだが、いまでは農村部の集落というイメージで八幡中山町を見ることは困難である。それほど発展していく町のオコナイであるが、伝統的な様式美を今に伝えており、今でも様式が保たれていることと、その美しさに感動した。
昭和35(1960)年に出版された【近江祭礼風土記(井上頼寿;臨川書店)】によると、オコナイは3日間、六組で行われていたようである。しかし現在は2日間で、社参本日の前日の宵宮は、頭屋さんへの挨拶で、組は四組となっている。御鏡は外注になっており簡略化し、組の減少は統合が起こったのかもしれない。50年近く前の資料とは変化があっても仕方ないことである。それでも伝統的な御輿型のフネで御鏡を担いで社参し、社参後には御盃の儀が厳粛に行われた。氏子さんは紋付袴か黒の礼服で、正装である。厳粛であってもオコナイとしてはオーソドックスと云えばオーソドックスであろうが、そのようなオーソドックスな様式を守るオコナイが、今では希少ではなかろうか。いくら町がどんどんと変化しようとも、変わらずに伝統様式美を守って欲しいものだと切に思った。
さて、オコナイにおける献鏡には、頭屋からお社あるいはお寺へ社参する際、大きく分けて3パターンの運び方がある。三宝に載せて抱かえて運ぶ、背負う、そして御輿型に屋台に載せて運ぶ方法である。今日、オコナイが行われた滋賀県長浜市八幡中山町の四組が天満宮に献鏡されるには、御輿型屋台を四人で担いで社参された。
八幡中山町のオコナイ、事前情報が殆ど無かったので、自宅を午前4時に出発した。長浜市の八幡中山町には午前5時19分に着いたが、まだまだ街は深い眠りの中であった。結局、献鏡行列は午前8時の天満宮祭典に間に合うように頭屋を出発した。
今回も現地の人たちの情報などで助けを受けての撮影となり、皆様に感謝申し上げます。

上写真;美しい御鏡。社参前、頭屋でフネ(御輿型)に載せられている。

上写真;社参行列。

上写真3枚;天満宮に着いた御鏡と、祭典。

上左写真;献じられた御鏡餅。
上右写真;社参後、頭屋で御盃ノ儀。

上写真;頭屋での御盃ノ儀。清清しい日本的様式美の極致の空間。


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