■ 平成30(2018)年09月22日(土)三重県伊賀市、伊賀上野城
雨天なら小学校の体育館での上演となるところ、早朝の雨も上がって 虫の音に秋を感じさせる夜、予定通り 上野城本丸広場で開催された。
◎ 狂言「蝸牛」大蔵流
山伏が里に帰国の途上で休んでいると、主人に蝸牛を取って来いと命じられた太郎冠者に、蝸牛と間違われる。山伏は蝸牛になりすまし、太郎冠者に囃し物を教えて二人で主人の前で囃して浮かれる。やがて主人も共に囃子物に釣りまれてしまう。
蝸牛の物まねが滑稽だ。
(茂山宗彦、茂山逸平、茂山七五三の各師)
◎ 能「小袖曽我」観世流
曽我十郎祐成(シテ)と曽我五郎時致(ツレ)は源頼朝が主催する富士裾野の巻狩りに潜り込んで、父の仇の工藤祐経を討とうとする。その前に勘当されていた時致も母に会って勘当を解いてもらおうとするが、会ってももらえない。
寂しく発とうとする兄弟の後姿に、母はついに勘当を解く。兄弟は別れの水杯を酌み交わし、出立前に 相舞の「男舞」を舞う。
素材を『 平家物語 』、『 源平盛衰記 』 にもとめた四番目物の、いわゆる「雑能」である。
シテが直面という、珍しい曲である。
(シテ;武田邦弘師、ツレ;武田大志師、ツレ;橋本忠樹師 ら 他の各師)