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No.78 春日大社 御田植神事

■ 奈良市春日野町 春日大社、 平成27(2015)年3月15日

写真は榎本神社前と若宮神社前が混在してます。

春日大社さんにおいて例年3月15日の午前10時から非公開の御田植祭が斎行され、続いて午前11時から林檎の庭、榎本神社と若宮神社において御田植神事が行われる。

非公開の祭はおそらく祭式次第による祭典と思われるが、拝観可能場所で行われる御田植神事は予祝的行事である。田主が鍬を使って耕す所作に続いて牛面をつけた牛男が唐鋤や牛鍬を引く。それから神楽男の笏拍子、銅拍子、神楽笛に囃されながら御巫(巫女)が八乙女として御田植舞を舞う。

ところで御田植舞には珍しい舞所作がある。俗称「すずめ」と呼ばれ、両手を翼のように広げて片足で立って滑空スタイルをするのである。しかし、、、その所作がスズメと云われたのは、いつからで誰が言い出したのだろうか? スズメは絶対に無いだろう。スズメは田圃の害虫を捕食する益鳥と云われることもあるが、一般的に思われるのは田圃の作物を食い散らかす害鳥である。害鳥の格好を御田植舞で行うことは、疑問で無いのだろうか?予祝とはおめでたい祝福すべき状態を予言することで、その通りになることを期待することである。田植えの所作を八乙女さんが行う時に格好がなされるのだから、これは害鳥のスズメの格好ではなく、穀霊の降臨する姿であろう。すなわち「穀霊降臨」所作である。 八乙女は早苗に見立てた松苗を舞処で田植えされる。

余談になるが、御巫さんが舞処を周りながら片手を挙げて片手を下げたポーズは、どこかで見たポーズだと思った。そう、埼玉県野原古墳出土の「踊る埴輪」と呼ばれる弥生時代の埴輪と同じポーズだ。稲作の興隆した弥生時代と春日大社の田植え舞、、、穀霊を招霊するポーズとは、かような姿なのだと思った。そのポーズで舞処を田に見立てて周回するのは、予祝として重要な意味があるのだ。


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