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No.4.伊勢神宮(興玉神祭・御ト)

【日本書紀】、天武天皇三(674)年十月十五日の条に『伊勢神宮』と神宮としての名前が初見される。
この伊勢神宮は内外宮だけでなく、125所の宮社から成り祭神は140座におよぶ神々の大集合体である。
伊勢神宮では年間に1,800回程行われるが、全国の神社に共通する祀りと神宮独特の祀りに分けられる。
神宮独自の祀りで重儀は“三節祭”といわれる神嘗祭と6&12月の月次祭である。今回撮影してきたのは6月の月次祭であり、1日に祭祀に奉じる御料酒が麗しく醸造される祈りの“御酒殿祭”を皮切りに15〜17日の内外宮での“由貴夕朝大御饌祭”を経て25日の別宮・諸宮祭まで続く。
三節祭の一つである神嘗祭は、大宝二(702)年施行の大主令や養老二(718)年の養老令でも神宮の大祭として規定されており、同様に月次祭ともども約1,300年の歴史がある祭祀と思われる。
10月に行われる“神嘗祭(かんなめさい)”は、古来は諸国が朝廷に奉じた初穂を天皇が伊勢の大神に奉じた祀りである。すなわち秋の収穫を神々に感謝する農業の祭りといえよう。
6&12月の“月次祭(つきなみさい)”は、きたる半年の豊穣への祈りの神事であろう。
三節祭では、御神饌(ごしんせん)が神々が食べやすいように調理された形で神前に奉奠(ほうてん)される。
重儀は15〜17日の外・内宮での22:00〜24:00&02:00〜04:00時に、各正宮での“由貴夕朝大御饌祭”である(奉拝には要許可・撮影禁止)。
その重儀に先立ち、15日には内宮で17:20から“興玉神祭”と“御ト(みうら)”神事が行われる。
今回のUPは、その“興玉神祭”と“御ト(みうら)”である。

(みもすそ川橋)

(みもすそ川)


興玉神祭

6月15日内宮17:20、祀りの開始を告げる報鼓が通った後方約100m を神職さんが参進される。
内宮正宮板垣内西北隅に御安座される、地主神の興玉神に御神饌を奉奠されるためだ。
忌火屋殿であらかじめ調理され、辛櫃に収められた御神饌(神様の食事)が祝詞奏上・御祓いされた後、辛櫃を担いで興玉神へ向かう。UPした写真は、その一連の祭祀の様子です。
(興玉神は、正宮内のため撮影不可能)


御ト

御ト(みうら)は“由貴夕朝大御饌祭”に奉仕される神職が、奉仕にかなうか御神意を伺う儀式である。
外玉垣内部で行われるので、奉拝(見学)は可能であるが、撮影は禁止であり、参進が写真の中心となる。
神事に奉仕される神職さんが全員参進されるので、多くの神職さんが進まれる。
先頭は祭主であり、昭和27年神宮規定により『皇族又は元皇族であったものを勅旨を奉じて定める』ことによって選ばれている。【古事記・日本書紀】には、天皇の皇女などからト定(ぼくてい・・・うらない)で選ばれて、天照大御神の御杖代(みつえしろ・・・代わり)として伊勢神宮近郊の斎宮に居を構えた斎王が出てくるが、現在の祭主もその流れであろう。

《参考文献》

【神道祭祀】真弓常忠著;朱鷺書房
【神社】岡田米夫著:東京堂出版
【伊勢神宮】櫻井勝之進著;学生社
【伊勢神宮】三好和義・岡野弘彦他:淡交社
【伊勢神宮】所功著;講談社学術文庫


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