撮影場所&日;岐阜県揖斐郡揖斐川町春日、平成19(2007)年3月21日
撮影機材;Nikon D70s+SIGMA10-20mm、D80+VR18-200mm
現地情報;駐車場なし(周辺)、食堂なし
川合集落の氏神様である六社神社境内で、午前11時から約30分間、太鼓踊が奉納された。
揖斐川町だけでも7箇所程の村で太鼓踊が行なわれており、その村の中の一つである春日地区においては5箇所の集落で行なわれているなど、「太鼓踊文化圏」を形成している。まるで奥三河の「花祭文化圏」のように地域各所で伝承されている民俗芸能の様相である。
春日の太鼓踊の奉納日を記載する(春日のパンフレットを参照)。
■上ヶ流太鼓踊(10月第二土曜日)
■下ヶ流太鼓踊(10月第二日曜日)
■川合太鼓踊(1月23日、春分の日、8月16日)
■寺本太鼓踊(11月第一土日)
■種本中瀬太鼓踊(11月第二土日)
ここの太鼓踊も近隣の谷汲踊(既にUP済み)と同様に、鎌倉踊とも呼ばれている。その由来は谷汲踊と同じである。なれど谷汲踊では特徴的だった大きなシナイが、ここでは無い。その代わりに、8人の踊子以外に“ボンデン”と呼ばれる五色の紙垂の塊を振る役割の人が居る。この採物自体がボンデンであるが、その踊手自体もボンデンと呼ぶようだ。各踊子が背負うシナイが、ボンデン一個に集約されてしまったのだろうか。ボンデンとは、梵天(ぼんてん)が訛ったという想像を私はしている。
太鼓は締太鼓を各人が抱くが、一人だけ大きい太鼓なのが特徴的である。太鼓の音は遠雷であると同時に、撥が男根で太鼓が女性・・・打つという行為が、生命創造の模倣であるという(※)。太鼓踊における雨乞いなどの呪術性は、田楽にも合い通じる世界である。
《参考文献》(※)【入門 日本の太鼓】茂木仁史、平凡社新書177、P.88