日本!(お神楽)
No.22 寺野のひよんどり 川名のひよんどり

■寺野のひよんどり

撮影場所&日;静岡県浜松市引佐町渋川、平成19(2007)年1月3日
撮影機材;Nikon D80+VR18−200mm、D70s+SIGMA18-50mm
現地情報;祭は14〜18時、屋台・駐車場有

寺野三日堂(観音堂)での祭礼は現地では、「三日堂」「ひよんどり」「おこない」や「鬼踊り」と呼ばれている。14時、地主神を祀る祠で伽藍様祭が行なわれるのに並行して、本堂では10人程の講衆の人らによる「ひよんどり踊り」が松明を振りつつ行なわれる。そして伽藍様祭で奉舞されたと同じ、「順の舞」「巫女舞」そして「万歳楽」が舞われてから、12曲が奉舞される。内容的には農耕予祝の田楽というより、鎮め祓いの曲目が現在は主となっているようだが、かつては田農やロン舞など近隣の田楽にも共通する予祝的な舞も有ったようである。本堂祭の最初の松明による「ひよんどり踊り」や「鬼の舞」といい、キーワードは“火”である。赤・青・黒の三匹の鬼は、まねきに回転させられて三つ巴になった後に松明の火を乱打する。まねきは面をキチンと着けないで、側頭部に掛けた状態であり、この面の扱いも独特である。おそらく半神半人の完全に霊的な存在に成り切っていない半端な状態を示すのであろう。例えば神人(みこ)のような存在である。その まねきが神霊の鬼を回転させることは、神の御魂を振る行為であり、鬼の霊威のパワーアップを図っているのだろう。そしてその霊威の増大した呪力で火防せをするのではないだろうか。単なる想像ですが。。

上左;伽藍祭  上右;ひよんどり踊り

上左;三つ舞  上右;栗穂の舞

上;両剣の舞

上左;女郎の舞、 上右;ねこざねの舞(鎮め)

上左右;鬼の舞


■川名のひよんどり

撮影場所&日;静岡県浜松市引佐川名、平成19(2007)年1月4日
撮影機材;Nikon D80+SIGMA10-20mm、D70s+SIGMA18-50mm
現地情報;祭は18〜22時半、屋台・駐車場有

川名のひよんどりは、福満寺薬師堂で行なわれる。薬師堂内に松明の奉献者が松明を入れようとするのを、若連が七五三縄で体を結んで阻止しようとしるのが有名なシーンである。松明献納者の禰宜は、重さ約8kgの松明を左右に振りかざして邪魔する若連を追い散らそうとする。堂内に松明が入るのを阻止するとは、どのような訳だろうか。松明の奉献者は禰宜であり、神職である。阻止しようとする若者も水垢離して潔斎した若者である。そして注連縄で結ばれているのだから、松明を阻止するにしても単なる妨害ではない。とすれば、奉献者も若連も、火防の神の両義性を現しているのではなかろうか。火の神は日常生活に恩恵を与えてくれると同時に、厄神ともなると被害を及ぼす恐ろしい存在である。災いを起こす荒魂あるいは厄神としての火が若者に象徴され、松明奉献者が和魂、つまり守護神と考えたらどうだろうか。守護神(和魂)が邪神に打ち勝って堂内に松明が入ることにより、荒魂は和魂に転生する。火の守護神に転生した若連は、続いて舞を堂内で奉舞するのだ。以上も私の想像にすぎないが。。。

上;松明の奉献者と若連の鬩ぎ合い

上左;順の舞、 上右;はらみの舞

上左;片剣の舞  上右;両剣の舞

上;両稲村の舞


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