No.46
ドイツ・ライン左岸線 01型
Nr.46
Deutschland・Die Linke Rheinstrecke BR-01
モーツァルト 歌劇「コジファントゥッテ」フランクフルト歌劇場
Mozart oper「COSI FAN TUTTE」 Oper Frankfurt
■ 2017年12月30日(土)撮影
左写真;蒸機年末運転について。 DB (ドイツ鉄道)の列車内にて。
「Dampfzug Jahresabschlussfahrt」という名目の 01型蒸気機関車牽引の特別列車が Hanau と Boppardの間で走った。
主催は「Eisenbahn-Nostalgiefahrten-Bebra e.V.」である。運転は Hanau - Offenbach -Frankfurt Süd - Frankfurt Höchst - Niedernhausen - Limburg - Koblenz -Boppard の往復である。往路5時間16分、復路4時間09分の汽車の旅で、Boppard では4時間05分の滞在時間が有り、希望の乗客はライン川の遊覧船に乗り換えてローレライの観光に行くという旅の企画である。
この年末運転の発表が有った当初はライン右岸線を走る予定であったが、一ヶ月くらい前に左岸線でコブレンツからボッパルトまで往復する企画に変更になった。その時点で詳細な運転時刻の発表が無く、少々不安だった。この運転企画の前にはBrockenbahn の撮影に Wernigerode に滞在しており、この年末運転の撮影のために フランクフルトに戻り、撮影が済んだ翌日にはまた Brockenbahn に戻るのだ。ドイツの特別運転は日本のJR が運転する蒸機運転と異なり、鉄道趣味団体が主体で行うので、集客が少ないと運休になることがあるのだ。 ドイツに着いてからも情報を HP でチェックしつつも、一抹の不安が有った。
汽車はBoppard まで Lahntalと呼ばれる山間を走って行く。Offenbach の駅で入線と発車を撮影しても列車で先回りすることができる。場所を Google-earth で調べて、Koblenz-Stolzenfels がライン川対岸に望める Oberlahnstein で撮影することにした。対岸には Schloss Stolzenfels が一緒に写すことが出来るはずだ。
上写真;Offenbach HBF で Hanau HBF からの汽車を待つ。運休になっていないか、駅の列車到着案内掲示板で確認。それでも入線してくる機関車を見るまで安心できなかった。
午前07時55分。汽車が入線してきた。まだ外は暗く、まるで夜汽車だ。この日の日の出は、午前08時15分であった。
上写真;Offenbach HBF から Oberlahnstein に先回り。Schloss Stolzenfels (シュトルツェンフェルス城)の麓を走る。てっきり Rückwärts (逆機運転)で来ると思ったら、Vorwärts(正面向き)で来た。これには思わず歓喜の声が出てしまった。Koblenz の長時間停車で、向きを換えたのであろう。Schloss Stolzenfels は1300年頃に建築されたが、1688年頃にフランス軍がコブレンツを包囲した時に破壊された。現在の城は、その廃墟跡に1823年に皇帝フリードリヒ・ヴィルヘルム4世が再建した、ロマネスク様式の傑作城郭である。
上写真2枚;Boppard 駅にて。機関車は西ドイツ国鉄(ドイツ連邦鉄道;Deutsche Bundesbahn )時代のコンピューター番号を付けていた。西ドイツ生え抜きの01型だ。
上写真;Boppard で撮影後、再び Oberlahnstein に戻った。この日の日没は16時02分(ベルリン)。汽車は Boppard発が17時02分だから、来るのは17時13分頃だ。
16時半、日没から30分経った頃にお城がライトアップされた。狙い通りだ。やがて黄昏明かりも無くなり、真っ暗となった。露出が厳しい。それでも対岸の電気が汽車を浮き上がらせるだろう。
来た! 今度は逆機運転だ。炭水車の前照灯を頼りに、流し撮りをした。
上写真;Frankfurt Höchst まで先回りして、汽車を待った。停車中、横を ICE が駆け抜けて行った。
(番外)
■ Oper Frankfurt Mozart Oper「 COSI FAN TUTTE 」 am 01. Jan. 2018
フランクフルト歌劇場 モーツァルト 歌劇「コジファントゥッテ」2018年1月1日
左写真は、フランクフルト歌劇場HP、「コジ ファン トゥッテ」の舞台写真。
フランクフルト歌劇場のHP で公演をチェックしたら、ドイツ離国前夜にモーツァルトのオペラが有った。開演時間は通常より早く、18時である。Brockenbahn での撮影を昼前に切り上げてフランクフルトに戻れば、着替えと公演前に食事の時間も確保できる。夕刻まで撮影すればシャッターチャンスは増えるが、ドイツでなければ聴くことができない本場の演奏を聴くのも捨てがたい。演奏を聴くという行為は写真と違って形では残らないが、得難い経験の記憶となり自らの中に残る。
演奏会は1月1日。つまり元旦、お正月である。むろんドイツではお正月という感覚が無いから、盛大に祝うのはクリスマスである。1月1日よりも、むしろ大晦日のカウントダウンが若者には人気の日である。ドイツで1月1日は、年度の替わった最初の日という簡単な感覚のようである。日本の能だと、新年最初の演目は祝祭儀礼的な「翁」に決まっている。新年の最初のオペラに、このような定番は無く、2018年度の最初の曲はモーツァルトの「コジ ファン トゥッテ」であった。
歌劇場HPの舞台写真でも分かるように、時代設定や舞台も読み換えられている。本来は18世紀ナポリのはずだが、登場人物はワイシャツやワンピース姿である。時代や場所が特定されるような舞台装置も無く、場面場面で舞台を仕切る扉が出てくる位である。歌詞はイタリア語。それでも会場からはレチタチーヴォの時に笑い声が起こる。ドイツ語の字幕、併記して英語の字幕が出るのだが、聴衆がみんなイタリア語を理解して笑っているのかは不明。拙者はイタリア語がさっぱりなので、ドイツ語と英語の字幕を目で追うくらいである。歌手の歌唱も伸びやかで、前回このオペラハウスで聴いた「イル トロヴァトーレ」に比べて格段に良かった。歌手もオケも生き生きと演奏しているのが伝わってきた。会場の笑い声を聴いていて思った。そうか、新年最初の笑いを求めて来ている聴衆も多いのだと。女性の貞淑さをテーマにするのは陳腐な感じであるが、男性は皮肉っぽく、そして女性は少々気まずく思いながら聴くのだろうか。けっこう楽しめた演奏会だった。
上左;オペラハウス前にて。
上右;ロビーでチケットとパンフレット。
BESETZUNG (配役)
Musikalische Leitung;Nikolai Petersen
Regie;Christof Loy
Szenische Leitung der Wiederaufnahme
;Caterina Panti Liberovici
Bühnenbild und Kostüme;Herbert Murauer
Licht;Olaf Winter
Chor;Tilman Michael
Dramaturgie;Malte Krasting
Fiordiligi;Karen Vuong
Dorabella;Nina Tarandek
Guglielmo;Iurii Samoilov
Ferrando;Michael Porter
Despina;Louise Alder
Don Alfonso;Simon Bailey
Chor der Oper Frankfurt
Frankfurter Opern- und Museumsorchester